1. HOME
  2. ブログ
  3. なぜ不動産投資に対する融資が厳しくなったのか?

なぜ不動産投資に対する融資が厳しくなったのか?

はじめに

最近不動産投資をするための銀行からの借入資金を確保することが難しくなってきています。なぜこのような状況になってきているのかを以下で説明していきます。

不動産投資資金って?

そもそも不動産投資資金とは何なのでしょうか?

不動産投資資金とは、①自分の持つ有休の土地に賃貸用の物件を建築し賃貸収入を上げる、②すでに建築されている賃貸用不動産を購入して賃貸収入を上げる等、こうした収益物件への投資(建築、購入)を行うのに必要な資金を金融機関から借り入れすることです。しかも、スケールメリットを追求する為、かつ、レバレッジを効かせる為に、複数の物件を取得して運営することも当然のように行われています。

皆さんにとっても大きな金額を融資として受けられれば、より大きな物件を取得することが可能になり収益も得やすくなるわけです。

金融機関にとっては100万円の事業融資を行うことも、10億円の不動産融資を行うことも融資の為の審査を行う内容は基本的に一緒ですから、かかる手間が一緒であれば必然的に大きな金額を融資できる方を選択したくなるのです。

また、物件の価値には様々考え方はあるのもの担保物件も融資対象の物件を取得して融資ができるわけですからこの上なく銀行としては有利と考えています。

このお互いの求めたいところが合致していたことが、これまでの不動産投資資金を推し進めてきた要因の一つといえます。

不動産への投資は、投資する側である皆さんにとっては目に見える資産が自分のものになること、物件を賃貸することで安定した家賃収入があり、そこから借入金の返済ができること、そして何より返済金との差額を使えるお金にできることから、大きな借金をして取得しても特に問題が無いように思われがちです。

しかし、実際には様々な問題や懸念事項を含んだ投資であることに投資をする側が気づいていないケースも見受けられます。

資金調達をして仮に一括して借入してくれる会社に賃貸するとしても費用としてかけた資金の借入と家賃収入や発生するさまざまな税金、物件の修繕等の費用を支出しても手元にお金が残るのか、運営する会社は本当に大丈夫なのかといったところが重要になるわけです。

シェアハウスにより不動産投資

最近ではシェアハウス建築による不動産投資の問題が大きく取り上げられています。

しかし、現在でも不動産に投資したいとの思いをお持ちの方は多くいらっしゃいます。

私自身も不動産投資への投資については悲観的な考えを持っているわけではありませんし、否定もしていません。

では、不動産投資資金を借入する場合にどんなことに注意し、自らが投資しようとしている物件を検討すればよいのかをみていきましよう。

不動産投資に対する融資が厳しくなっている

なぜ、不動産投資に対する融資が厳しくなったのか。

最近、不動産投資資金が借入しにくくなったというお話を耳にすることが多くなりました。

2018年10月6日の日経新聞の記事では、大手行が不動産融資の審査厳格化するとのことでしたし、2018年11月15日の日経新聞の記事では、これまで積極的に融資を行ってきた地方銀行までが積極的に融資を伸ばすといった回答がゼロになってしまいました。また、担保価値を保守的に評価する等と回答した4割強が融資審査を厳しくすると回答しています。

しかしながら、以前金融機関に勤めていた者としては、現状がバブル崩壊後の金融危機からこれまでの間に整えてきた本来の金融機関融資の姿に近いのではないかと思ってしまいます。

銀行はお金を貸したい

不動産投資資金への融資の仕方は、バブル期に近い考え方になっていると感じていたからです。

バブル崩壊前の融資の仕方は、担保主義。担保さえあれば、担保に見合った金額までは融資を行っていく。なぜなら、貸出先に何か問題が発生して返済ができない状態となっても、担保の処分さえできれば焦げ付きは発生しないという考え方に立っていました。

バブル真っただ中では、担保に取った物件が目減りするという考え方は一切なかったといえますので、金融機関に返済されてしまったお金をどんどん様々な投資に対する資金に融資して行っていってしまったのです。ある意味では、金融機関という金貸しが返済されてしまって手元にある資金の融資先として必要とされかつ、これまでは目減りしなかった資産への投資資金として供給して収益を確保していくというあるいった意味では仕方がなかった流れといえます。
なぜ融資先から返済がされてしまったのか。これはバブル期には企業の資金調達の方法も大きく変化してしまったからです。

企業は資金調達の手段として金融機関から借り入れる方法から直接金融市場で資金を調達する方法へ加速していきました。

ですから、金融機関は大口かつ優良な融資先から次々とお金を返済され、貸し出し先に困っていました。金融機関の収益源である貸出ができない環境が出来上がってしまったのです。

ここで登場するのが事業性は置いておいて、必要資金かどうかは二の次として貸し出しに見合った担保物件であれば、何にでも利用することのできる金融機関が貸してくれた資金が、次々と世の中に出て行きました。金融機関にとっては、収益を上げていくためには金庫内にお金を眠らせて置くのではなく、積極的に融資を行っていくという方法を採っていきました。

無理に貸したお金のツケ

こうした、使用目的のないお金は、融資先にとってもただ、金庫においておくだけではもったいない、そうした考えから株式や不動産への投資、不動産開発を積極的に行って行った結果、急激な経済の縮小(バブル崩壊)により終焉を迎えてしまいました。

その際は、金融当局から不動産、投資関連資金への強力な総量規制によって引き締めが行われたわけですが、今回もまた、きっかけは別として問題をキッカケに急激な環境変化が発生してしまったことは明白です。
そもそも、担保物件の評価方法も市場価格から想定する価値をそのまま担保価値としてきたことから、当然にバブル崩壊後は、皆さんの知っているような状況に陥ることも当然といえます。

このような失敗から担保価値にだけに偏らない、事業内容主義に変更となり、担保は不十分でも、事業の内容や見込まれる成果が良好と判断されれば、融資を行うという方向に変わって行ったはずでした。

しかし、不動産物件に対する融資については一括借り上げで家賃収入が安定している、サラリーマンで今回借入による物件以外からの収入で万が一物件の稼働状況が上手くいかなくても返済には問題はない、運営会社の家賃保証がある等、様々な理由をつけて判断を甘くし、物件に対する考え方も貸し手に都合の良い方法を選択しながら行っていたことになります。やはり金融機関というのは懲りない業界、過去の経験が生かされにくい、忘れてしまう業界ということができるのではないでしょうか。

こうした考えに乗るだけにすることはやめましょう

不動産投資をしたい方はここを注意して

不動産投資をどうしてもしたいというのであれば、まず①現物資産としての不動産取得をするならば自分自身が物件を管理できる場所(見に行けるところ)以外への資金投入は十分な検討が必要です。

皆さんが住んでいる地域や仕事等で訪れる場所であれば、そこで起きていること、起きそうなことは十分想像することができると思います。

しかし、全く土地勘が無いところや、賃貸物件なのだし、私は建物を建築して運営元に一括借上げしてもらうのだからリスクは少ない、これまでも実績があり勧めているのだから問題ないだろうといったことで安易に物件建築・購入、運営に取り組んでいった時、こんなはずではなかったという予想外の展開が発生することがあります。

不動産投資による収益源は、物件を持っているだけでは発生しません。そこを賃貸してくれる人(利用者)がいなければならないのです。物件がどんなに立派できれいでも、建築されている場所に人がいなかったら、周りに生活するために必要なものがそろっていなかったら、きっと、人は賃貸物件として利用してくれません。

運営会社自体も同様です。建築代金さえ得てしまえば、建築した分の利益は確保できる、建物の運営が仮にうまくいかない物件があっても、他の物件でカバーできれば問題はないと考えている運営会社であったらどうでしょうか。物件を建築する必要性よりも、ただ建物を建築することを重点において市場性を無視して一心不乱に建物建築を行っていくでしょう。

しかも、物件の仕様にそぐわない建築費用を皆さんが払わなければならないのですから、運営会社自体には全く不利益はないといってよいでしょう。

また、②他人が作った収益計画書を鵜呑みにすることだけはやめましょう。

一般的に不動産投資を勧める際に提示される収益計画書はとてもバラ色です。なぜなら、不動産投資をしたことのない方に勧める際、どのようにすれば、話を聞いてくれる、目を向けてくれるでしょうか。
圧倒的に収益が安定してかつ大きな収益を得られるものの方が目を向けてくれやすいのではないでしょうか。

なぜ資金を借りにくくなったのか

なぜ、不動産投資資金が借りにくくなったのか

これまで、不動産投資の為に、物件を購入する資金は、金融機関から比較的簡単に調達する事が出来ました。

これは、貸し手側である金融機関にとっては、不動産という安心できる資産を担保としてとることができる事、安心できる担保を取得した上で、しかも巨額の資金を貸出出来ること、不動産投資向けの物件からの家賃収入によって、融資先である投資家に皆さんからは安定した返済を受けられること、金融機関の金庫にある巨額の資金を運用する先として貸出されてきました。

しかし、多くの金融機関が不動産投資に資金を供給した結果、物件の供給が過多になり、空室ばかりの物件が並ぶ地域が出来たり、建物は立派だが、周辺に利用する人がいない(工場やサービス業等、従業員が多くいる業種がいない地域や生活に必要なものがない不便な地域)ところにびっくりする程の賃貸物件が立ち並んでいる等の不釣り合いなものが多くなってしまいました。

それでも物件は建ち続けます。そこには、家賃保証や一括借り上げという魔物がいるからです。

この家賃保証や一括借り上げという魔物は、お金を借りる側、お金を貸す側にとってとても都合よく、とても安心感を与えている言葉です。なぜなら、利用者がいなくても家賃だけは永久的に払ってくれると勘違いを与えるからです。
ここでちょっと考えてみてください。仮に物件を借りてくれない、または、稼働状況が思ったほど上がらない状況が続いた時、皆さんだったら何が問題だと思うでしょうか。

立地が悪いのか、周辺の環境が悪いのか、賃料が高すぎるのか、それとも複合的になのか。そういった煩雑な事業運営上の判断を惑わす存在になってしまうのが、家賃保証という言葉ということができます。

本来の不動産賃貸の事業ではこうしたことを事業を始める前に検討・検証しリスク分析を行った上で事業へと参入していくわけですが、家賃保証という言葉を聞いてしまった為に、こうした分析をすっ飛ばし一気に事業へと参入してしまうことが多くなっています。

家賃保証は、いわば命綱であって頼り切るものではありません。たまたま、空き室が出てしまった際の急場しのぎです。家賃保証する側も、現状の家賃保証を同額のまま永久に続けてくれるとは言っていないわけですから。
しっかりと、不動産投資を行う方自らが判断できる最低限の知識をもって取り組むことが重要です。

不動産投資資金の本来の意義

不動産投資資金は、どんなとらえ方がされているのか

これまでは、案外どんな形でも不動産投資の為の資金が借りやすかったという話を耳にしました。これは、とても低金利の貸出金利が長期化していたこと、産業ベースでの事業資金需要が思ったよりも弱いこと、不動産他資産のデフレが続いていたこと、金融機関の金庫の中にある眠った資金が多かったことが挙げられるかと思います。

金融機関は預金者から預かった資金(預金という名の借金)をいかにして収益のある貸出として活用できるか、ただし、バブル期のような何にでも供給できる訳ではないので、なんとかして事業としても貸出金の保全である担保もしっかり確保できる事業へと考えた結果たどり着いたのが、不動産投資資金であったといえます。

しかし、日本銀行や金融庁は以前から不動産投資資金への金融機関融資があまりにも拡大していることを問題視しつついましたが、金融機関から得ていた回答を受け入れて現在まで推移してきました。

しかし、実際には市場規模と不釣り合いなアパート建築や投資用不動産物件の建築販売が多くなっていきましたし、ついには、不動産の価値評価を過大にしたり、借入をする方の資産状況を水増しし、借入の返済には問題がないかのような偽装も発覚してしまいました。

現在では、一旦小休止して状況が整うのを待っている状態といえ、表面上は、融資するのが難しい、困難だと言っています。

しかし、必要な投資まで抑制しているわけではありません。

しっかりとした計画、借主の資産や返済能力にあった融資は続いているわけですから。金融機関というのは、過去の失敗に沿ってまた同様の失敗をする、または、その前に立ち止まるところです。

ということは、いずれまた、一定の判断をし、そして同様の取組をはじめていくところでもあります。

この不動産投資資金への融資が小休止している間に何をしておけば良いのでしょうか。

不動産投資に必要な知識をしっかりと磨いておくことが重要であるといえます。

資金が借りられなければ投資ができない場合、特に必要となることは借入金を安定的に返済できる環境をつくりだすこと。

金融機関が考えている「貸すも親切、貸さぬも親切」をこの方であれば融資を行っても大丈夫、この方だから融資したい、こうした考え方をしてもらえる環境をつくりだすことがとても重要です。

今後どのようになっていくのか

当面、金融環境、投資環境、監督官庁等の模様眺めも続くのではないかと思われます。

これまでも、何か問題が出る度に急激に融資が厳しくなります。

しかし、金融機関もビジネスですので様々問題とされている部分を乗り越える為の言い訳、考え方の変更を行います。

そして、その言い訳、考え方を積極的に監督官庁等に発信して、まあそれであればというお互いの妥協点を探ります。

そうしないと、金融機関という金貸しは安定した大きな収入源を失ってしまいますから、彼らもある意味必死に探っているはずです。

だからこそ、不動産投資を考えている方々も金融機関がちょっとしたきっかけをみつけるまでの間、資金が借りられないからできない資金が借りられるようになったら、またその時に考えようではそもそもその変化に対応できません。本当に不動産投資を資金調達を念頭にはじめたいと思っている想いを忘れずに様々な環境の変化に対応できる方になっていてほしいと思っています。

信頼できる不動産投資のアドバイザーを見つける

その為に必要なことは、信頼できるその業界のアドバイザーをしっかりと今のうちにみつけて、しっかりと情報収集、しっかりと知識習得をしておくことをお勧めします。

不動産投資の環境も大きく変化していくはずです。現物資産としての不動産は、実際に物件があるという安心感がありますし、物件に対する考え方をしっかりともっておくことで、不動産投資を開始した後で起きる様々な変化にも対応ができるようになるはずです。

片手間でちょっとしておく投資ではないことをしっかりと認識して、そして、過度に怖がらず、そして時に臆病になって不動産投資を行っていけるようなしっかりとした環境分析をしていくことをおすすめします。

その為に必要な資産運用のアドバイザーをしっかり確保することが重要です。

しっかりとした環境分析を、しっかりと皆さんの想いを理解して、そして時には、厳しいことも言ってくれる方を持つことをお勧めします。

既に不動産投資を行っている方も、そうした資産運用のアドバイザーをお持ちでしょうか。

今、皆さん自身が行っている不動産投資はいかがでしょうか。迷いや困っていること、ここから先やってみたいこと等はありませんか。

これからでも、遅くはありません。皆さんの立場をしっかりと理解し、そして、じっくりとアドバイスしてくれる資産運用のアドバイザーをみつけましょう。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事