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物価上昇で貯蓄の意味がなくなるのか?

はじめに

明治維新より日本の人口は増加し第二次大戦後、高度経済成長の波に乗り急激な人口増加を辿って来ましたが、2004年に約12,784万人とピークを迎えた人口はその後減少に転じ、2019年3月時点で約12,622万人と約162万人の減少となっています。推計では今後100年間で100年前の水準に戻っていくことが予想されています(約4,771万人)。

今後、少子高齢化の影響で社会保険料を納付する現役世代が減少し、公的年金を受給するリタイアメント世代が増加すれば、将来の年金給付水準は当然ながら現在の水準を保てません。今後も人口減少が続くであろうこれからの時代は年金問題のみならず、今まで経験したことのない事が起きるという事は十分考えられます。

まさに今我々は未体験ゾーンを生きているわけです。今までこうだったのだからこれからもこうだ、ではなく、いままではこうだったかもしれないけれども、これからはどうなるかわからない、何が起きるかわからない、ということです。

高度成長期の日本

かつて右肩上がりの高度経済成長期、学校を卒業し企業に勤めれば安定した終身雇用制度、年功序列で給与もアップし、おカネはほとんどの方が銀行等に預けていました。それだけで増えました。

定年を迎えたら退職一時金を銀行等に預け、その金利だけで生活出来るほどでした。さらには多額の年金を受給され、悠々自適なリタイアメント生活が当たり前でした。年金の心配をする人などいませんでした。

退職金がもらえない

明るい未来をみんなが信じていました。現在はどうでしょう。
今や日本国内の4社に1社は退職金制度がありません。銀行等に預けたおカネは少しも増えません。もはやおカネを銀行等に預けて増やそうと考える人はいません。多くの人が今後年金制度は破綻するんじゃないかと心配しています。破綻せずとも受給時期がどんどん先延ばしされるのではと考える方ばかりです。税金はどうでしょう。

税金も高く

消費税導入時1989年の3%から2014年にかけて8%にまで引き上げられています。この先多分10%になるでしょう。この税金、いつか3%に戻る、あるいはなくなる事があるでしょうか。高齢者が増え続ければさらに福祉、医療におカネが必要となりうることを考えれば、なくなるどころか今後まだまだまだ上がっていくというか、上げざるを得ないのではないでしょうか。

我々が経験した30年前のあの素晴らしい時代がまたやって来ると思いますか?あの輝いていた時代を再び取り戻せると思いますか?かつて経済大国としてGDP世界第2位だった日本も今や中国に抜かれ3位です。それも大差をつけられています。

少子高齢化で暮らしが大きく変わる

すべての要因は少子高齢化にあります。人口増加を続ける先進諸国の中で日本だけが人口減少しています。少子高齢化は非常に深刻な問題です。夢のようなあの頃がまたやって来るという事は物理的にあり得ないんです。

2000年まで当時の大蔵省資金運用部によって運用されていた年金積立金は2001年以降、当時の年金資金運用基金にて管理運用されて来ました。更に2006年の制度改革による基金解散後は、新たに設立された年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって政府は現在年金積立金の管理運用を投資信託にて行っています。

我々の大切な年金原資が勝手に運用されているのか、あるいは運用してくれているのか、思いはそれぞれではありますが、いずれにせよ政府は年金原資を運用しているという事です。

2010年には高齢者1人に対し現役世代約2.6人が社会保険料を負担してきたのに対し2040年には現役世代約1.4人で賄わなければならないという試算もあり、年金稼ぎ手不足の対策としてという背景があるわけです。我々が子供のころ、おカネは銀行郵便局に預貯金することが当たり前でした。

政府の言うことを聞いてきた国民

預貯金することが当たり前だった親が子供にもそう教えて来たこともありますが、やはり政府が預貯金を推奨してきたことが一番の要因でした。社会保険料の積み上げをそれまで政府は一生懸命行ってきました。政府の真似を国民は皆真似して来た訳です。人口が増えて社会保険料を納めてくれる現役世代が減らなければ、そもそも原資を運用する必要などなかったんですね。積み上げるだけで十分だったんです。

ところが2004年以降、日本の人口は増加から減少に転じ、社会保険料の積み上げにブレーキがかかります。高齢者の長寿化による年金原資の加速度的な減少に対し、今まで通りでは無理だという事で運用せざるを得ない状況に迫られた結果、政府として本格的に運用に取り組むことになったわけです。今NISAあるいはiDeCoといった個人向資産形成の金融商品はすべて投資信託です。政府推奨のもと販売されているわけですが、政府が行っている資産形成を皆さまにもやっていただきたい、という事なんですね。

日本人とアメリカ人の投資概念

1990年の投資信託残高が日本46兆ドルに対し、アメリカ106兆ドルと人口比で見た場合それほど変わりませんでした。24年後の2014年、日本は48兆ドル増加して94兆ドルまで増えましたがアメリカは1500兆ドル弱増えて1585兆ドルに増えました。増えた理由の一つにドルコスト平均法をがあります。ドルコスト平均法による積み立て成果の結果アメリカはかなり景気が良くなりました。

24年前の日経平均株価39800円に対し現在は約21000円、一時は10000円を割り込んだ時期もありましたが24年掛かっておよそ半値になってしまいましたね。同じく24年前アメリカNYダウ30種工業平均株価は2500米ドルに対し現在27000米ドルでおよそ11倍弱と下がることなく上昇の一途をたどっています。株価が上がったことで企業も投資家も国民も豊かになり、なにしろ国自体の経済力が強くなりました。

1990年バブル絶頂期の日本でドルコスト平均法に取り組んでいた日本人は約3%だったのに対し、当時景気は決して良くなかったアメリカでも約5%と、それほどの差はありませんでしたが、2014年には日本人は相も変わらず3%なのに対しアメリカは70%の国民がドルコスト平均法による積み立てを行っています。裕福層のみならず一般の国民も積み立て投資を行って来ました。日本よりも激しい格差社会の中で、おカネのない人以外はほぼ全国民が取り組んでいることになります。

このようにアメリカという一つのモデルケースが出来たことで政府もアメリカの成功事例に倣えとなってきたわけですが、日本人の積み立てに対する考え方は旧態依然として銀行郵便局自体の商品が主流です。このまま預貯金主体の状況が続いたとして、今までの経緯をたどれば2040年、日本の投資信託残高はそれでもおよそ150兆ドルにはなると思われます。

対してアメリカはここまで成功しているので、投資をやめることはないという事からみますと、おそらく30000米ドル~40000米ドルよりも上となり、更に日本とアメリカの差が開いてしまうことになるでしょう。日本人が貯蓄好きなのはそれまでの政府の訴えかけが大いに寄与していたからです。という事は今後政府が投資を訴えかけ続ければ今後投資が当たり前になることが、時代は繰り返されるものと考えれば明らかなのではないでしょうか。

貯蓄しか考えない日本人

先進諸国のなか日本だけが特殊です。現在そのような状況の中で、そしてこれからこの日本で生きていくために、今後国民一人一人の自助努力が必要になって来ています。国、政府に頼らず自分の身は自分で守る、と言ったら少し大げさかもしれませんが、そういうことなんです。

今までと同じことをしていたのでは何も変わりません。物価の上昇を考えたら、やがてじり貧になってしまうことは明らかです。物価上昇に飲み込まれないようにこの日本で生きていくために、新しい価値観と考え方を持ち、時流に沿って行動することが必要ではないでしょうか。

物価は徐々に上がっている

2006年の東京ディズニーリゾート1DAYパスポートは5800円でした。2016年には7400円に値上がりしています。高速道路料金、2006年に10000円で走行できた区間が2016年は13513円必要です。20年前100円だった缶コーヒーは現在130円です。ポテトチップス、30年前も現在も価格は100円です。内容量を見てみますと現在は60グラムですが、30年前は90グラムあったんです。価格は変えずに内容量を減らすことも実質物価上昇です。このように物価は毎年上昇していきます。そして物価が上昇するとおカネの価値は下がります。物価上昇し続ける限り、おカネの価値は下がり続けるわけです。30年前の10000円と現在の10000円とでは、10000円札そのものは変わりませんが、10000円の価値は下がっていませんか?あるいは今10000円で購入できるものが30年後も10000円で購入できるでしょうか?

現在政府は年2%の物価上昇を目指しています。仮に今1000万円の現金が手元にあるとして、これをどこにも預けずに置いておいたら30年後には1000万円はそのまま1000万円としてありますが、その価値としては552万円、約半分の価値しか無くなってしまいます。つまり貨幣量は30年変わらずとも、貨幣価値は半分に下がってしまうという事なんです。

物価上昇=インフレーションですね。モノの値段が上がり続けることをインフレといいますが、モノの値段=物価が上がるとおカネの価値は下がります。

ではそもそも、政府はなぜインフレを進めているのでしょう…。今100円のモノが仮にインフレターゲット年2%で10年経過したとしたら120円になります(単利の場合)。そうしますと更に同条件のもと30年後、100円だったものは160円に値上がりしているわけですが、相対的におカネの価値は下がります。

しかしながらインフレは進んでも借金はどうでしょう…借金は値上がりしますか?今100万円を金利ゼロで借りたとしてその借金は30年後160万円になっていますか?貨幣量としての100万円は100万円のままですよね?ということは30年後には借金自体の貨幣価値はおよそ半分、約52万円の価値しかないという事になりませんか?貨幣量は30年変わらずとも、貨幣価値は約半分になってしまうんですね。

1000兆円超ともいわれている我が国の借金ですが、政府はこの債務を償還する術を持っていません。消費税率30%に一度に引き上げることが出来れば恐らく我が国の借金問題は解決するでしょう。しかし国民に理解はしてもらえません。という事でインフレターゲット年2%を進めることにより1000兆円の借金の貨幣価値を30年後には552兆円までインフレによって圧縮させる事が出来るのではないか。

なのでインフレが必要…それだけが目的ではないのですが、ひとつの要因としてこれから先も我が国のみならずその国の経済においてインフレは必要ですし、インフレがどうにもならない外部的要因として我々の日常生活に様々な影響を与える事になるんですね。

このようにご自身ではどうにもならない外部的要因であるインフレによって、資産価値を下げられてしまう現状に対して現在あるいは将来の資産を守り、そして増やしていく対策を戦略的に構築することが必要ではないでしょうか。

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